民泊で使えるローンとは?資金不足を解消するローン活用法を解説

「民泊に興味があるけど、物件の購入や設備の整備にかかる資金がネック…」

そんなときに活用したいのがローン。

本記事では、難しそうと思われがちな民泊で活用できるローンの種類や注意点を詳しく解説します。

民泊の物件の購入やリフォームの費用はローンが組める?

民泊を始めるのにまず必要になるのが物件や設備を揃える初期費用。物件を購入したり家具やアメニティを揃えたりするとどうしても高額になってしまい、自己資金だけでまかなうのが難しい人も多いのではないでしょうか。

そこで検討したいのがローンです。物件を所有するのか賃貸なのかなど、運営スタイルによって借りられるローンの種類が変わります。利用には審査がありますが、使途がはっきりしていて、収支・返済計画がしっかりと立てられていれば、融資やローンは比較的とおりやすいです。

これから民泊の運営を始めようとしている方は、自分が利用できるローンの種類やおおよその借入金額、期間を把握しておくと良いでしょう。

民泊の運営で使えるローンは4種類

住宅ローン

住宅ローンは、住宅を購入したり、リフォーム・リノベーションしたりするために金融機関からお金を借りる住宅取得専用のローンです。金利が低く返済期間が長いことに加え、要件を満たせば住宅ローン控除を受けられるメリットがあります。

民泊の運営を始める際に、物件を購入する場合は住宅ローンを利用できます。ただし住宅ローンは、あくまで自分が住む家を買うためのローンです。そのため、民泊として利用する場合は「建物の床面積50%以上を自己居住部分として使用する」必要があるため注意しましょう。

また住宅ローンは「固定型」「変動型」そして「固定期間選択型」の3つがあります。それぞれ最終的な返済額が異なるため、どれだけ資金に余裕があるかや、借入金額や期間などによって慎重な検討が必要です。

事業用ローン

事業用ローンは「ビジネスローン」とも呼ばれ、事業資金や開業資金を調達するために利用されるローンです。住宅ローンよりも融資額の上限が高く、家具やアメニティの購入から人件費まで幅広い用途に活用できることが特徴。賃貸ではなく、物件を所有する形での運営であれば、審査も比較的とおりやすい傾向があります

ただし事業用ローンを利用する際は、民泊を運営する物件のエリアや金額設定などから算出される売上予測、資金の使途などを細かくチェックされるため、入念な準備が必要です。

民泊専用ローン

民泊専用ローンはその名のとおり、民泊事業を営む資金調達に特化したローンで、以下の3つがあります。

  • 三井住友トラスト・ローン&ファイナンス「民泊事業ローン」
    借入期間は最長35年、融資額は300万〜10億円と幅があり、連帯保証人が原則不要なことが利点。
  • 日本政策金融公庫「事業ローン」
    融資限度額が異なる3つの制度がある。民泊の営業形態や借主の年齢などの条件があるものの、比較的融資のハードルが低いことが特徴。
  • オリコ「ホームシェアリングローン」
    借入期間は最長10年、融資額は500万~1,000万、無担保で利用できる。申し込みは、空き家の所有者と購入希望者をマッチングする「アキカツナビ」から。

各地方自治体のローン

大分県など一部の地方自治体では地域の観光促進や空き家対策の一環として、民泊運営を支援するローンや補助金制度を設けていることがあります。地方自治体のサポートを活用することで、民泊の開業資金を抑えつつ、地域活性化にも貢献できます。

自治体ごとに条件や融資内容が異なりますが、低金利での融資や補助金が活用できるケースもあるため、地域密着型の民泊運営を考える場合は、自治体の支援制度を確認しておくと良いでしょう。

住宅ローンのまま民泊はできる?フラット35・家主居住型・不在型の注意点

「すでに住宅ローンを組んでいる家で民泊をしたい」「これから住宅ローンで買う家を民泊にできないか」という疑問もよく出てきます。結論から言うと、住宅ローンで民泊ができるかどうかは「家主居住型」か「家主不在型」かで大きく変わります。ここを誤ると、ローンの一括返済を求められるリスクもあるため、順番に整理しておきましょう。

住宅ローンは「自己居住用」。家主不在型の民泊は用途違反になりうる

原則として住宅ローンは、契約者本人がその家に住むことを前提に、低い金利で借りられるローンです。そのため、自分は住まずに第三者を宿泊させる家主不在型の民泊で使うと、ローン契約の用途に反する目的外利用と判断される可能性があります。

実際の居住実態が合わないなどの用途違反が金融機関に判明した場合、最悪のケースでは残っているローンの一括返済を求められることがあります。なお、どこまでが認められるかは金融機関ごとの規約・運用によって異なるため、「黙認されるはず」と自己判断で進めるのは避け、必ず契約先の金融機関に確認してください。

家主居住型なら継続できる場合も(金融機関の事前承諾が前提)

自分が住みながら、空き部屋や自宅の一部を貸す「家主居住型」の民泊であれば、自己居住の実態が保たれるため、住宅ローンを継続したまま運営できる場合があります。

目安として「建物の床面積の半分(50%)以上が自分の居住部分であること」などがありますが、これはあくまで一般的な目安であり、最終的な可否は金融機関の判断です。住宅ローンを残したまま民泊を始める場合は、無断で始めず、必ず事前に金融機関の承諾を得てください。

家主居住型と家主不在型では、必要な手続きや向いている運営スタイルが異なります。これらの違いは家主居住型と家主不在型の違いの解説で、住宅宿泊事業法(民泊新法)の年間営業日数の上限については民泊新法の180日ルールで詳しく解説しています。

フラット35は投資用・賃貸用には使えない

住宅ローンの中でも、全期間固定金利のフラット35は特に注意が必要です。フラット35は、申込者本人またはその親族が住むための住宅に使うローンで、住宅金融支援機構は第三者に賃貸する投資用物件への利用を認めていません。用途に反した利用が判明した場合は、借入額の全額を一括返済することになります。機構は、残高証明書を転送不要郵便で送るなどして、契約者が実際に住んでいるかを定期的に確認しています。

ただし、転勤などやむを得ない事情で一時的に住めなくなり、将来その家に戻ることを前提に賃貸する場合は認められています。これは「戻る前提の一時的な賃貸」であって、継続的に民泊として運用することとは別の話です。

結論、家主不在型(投資的な民泊運用)にフラット35は使えません。家主居住型であっても、事業として貸し出す部分の扱いは判断が分かれるため、機構や金融機関への事前確認は必須です。

セカンドハウスローン・別荘ローンも原則は自己利用向け

セカンドハウスローンや別荘ローンも、基本的には契約者自身が利用するための住宅に向けたローンです。第三者を宿泊させて収益を得る民泊目的での利用は、原則として対象外と考えておきましょう。こちらも利用を検討する場合は、必ず金融機関への確認が必要です。

結論:家主不在型・収益目的なら事業用ローンや民泊専用ローンを

住宅ローン系(住宅ローン・フラット35・セカンドハウスローン)は、基本的に自分が住む家のためのものです。民泊で使えるとしても、家主居住型かつ金融機関の事前承諾がある場合に限られます。

自分は住まずに収益を目的とする家主不在型であれば、用途違反のリスクを避けるためにも、事業用ローンや民泊専用ローンを選ぶのが安全です。資金計画に迷ったら、まずは「自分は家主居住型か、家主不在型か」を確認することからはじめましょう。

民泊の運営でローンを利用する際の注意点

①収支計画、返済計画をしっかり考える

民泊運営でローンを利用する際には、綿密な収支計画と返済計画を立てることが重要です。民泊の収益はシーズンにより大きく変動するため、夏休みなどの繁忙期は宿泊料金を高めに設定するなどして収益をしっかり確保し、閑散期の資金繰りを慎重に計算しましょう。

また、ローンの利率や返済期間も確認し、長期的に無理なく返済できるプランを選ぶことも大切です。返済計画がしっかりしていれば、民泊運営による利益を安定的に確保しやすくなります。

②セカンドハウスでのローン

居住している家以外に利用できるセカンドハウスローンや別荘ローンが残っている物件は原則、民泊として利用できないため、注意が必要です。

セカンドハウスローンや別荘ローンが残っている物件を民泊で利用する場合、まず金融機関の承諾を得て、住宅用ローンから事業用ローンへの切り替えをする必要があります。金融機関の許可を得ずに民泊を開始すると、契約違反に問われ、一括返済を求められたり、金利が引き上げられたりするリスクがあります。

まとめ

民泊の開業には、物件の購入や内装のリフォームなどをするまとまった初期費用が必要です。資金調達には、住宅ローンや事業ローン、公的融資など多くの選択肢があり、運営方針に合わせた方法を選ぶことが重要ですので、それぞれの特徴を理解し、目的に応じたローンを選びましょう。

申請時にしっかりとした収支・返済返済計画を立てることで審査もとおりやすくなり、安定した民泊の運営ができるようになります。ローンを上手に活用し初期費用をまかなって、理想の民泊運営をスタートさせましょう。

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