「使っていない実家、どうしよう…」
「田舎の空き家、ただ維持するのも大変だなぁ」
そんな風に悩んでいる方、意外と多いのではないでしょうか?
最近では空き家や古民家をリノベーションして「民泊」として活用するケースが増加中。観光地だけでなく、地方のちょっとした田舎でも「一棟貸し」の宿が人気を集めており、しっかり収益を上げている事例もあります。
この記事では、民泊向けリノベーションのメリットや費用相場、リフォームとの違いなどをわかりやすく解説していきますよ!
なぜ今、民泊リノベーション?空き家・古民家が生まれ変わる魅力とメリット
収益性と資産価値を両立!民泊リノベーションの3つのメリット
「古い家だから無理でしょ」と思っていませんか?
実は、アイデアと工夫次第で民泊として生まれ変わらせることができるのです。ここでは、民泊リノベーションをすることで得られる3つの大きなメリットを紹介します。
【メリット1】空き家の有効活用と高収益化
「長年放置していた家だけど、民泊にしたら月10万円以上の副収入が入るように!」という話が、実際にあります。
たとえば、築50年の戸建てをフルリノベーション。和モダンな内装に整えて「一棟貸しの宿」として1泊あたり1万5千円で運用した場合、稼働率60%で単純計算でも月収20万円近くになります。
地方や観光地では「ホテルが少ない」「子連れやペットOKの宿がない」など、意外なニーズが眠っています。そうした「スキマ」を狙えるのが、民泊リノベの強みです。
空き家をそのままにしておくと、固定資産税やメンテナンス費用ばかりかかりますが、民泊として使えば、しっかり利益を出す「攻めの資産」になります。
【メリット2】独自の体験価値で競合と差別化
今の旅行者は「泊まる場所」にも体験価値を求めています。
ただ寝るだけのホテルではなく、「その地域ならではの暮らしを味わえる宿」に惹かれる人が増えているのです。
例えばこんな声があります。
「縁側から見た星空が忘れられない」
「畳のにおいが懐かしくて落ち着いた」
リノベーションでそうした「昔ながらの良さ」を活かしつつ、トイレや風呂、キッチンなどはしっかり快適に整える。このバランスが「他にはない宿」としての魅力になります。
【メリット3】長期的な資産価値の向上
民泊で利益を出しながら、将来の売却時に価値が上がるという「2つのメリット」があるのもリノベの魅力です。
観光地やその周辺では、インバウンド(外国人観光客)の回復や国内旅行の盛り上がりもあり、不動産価値がじわじわと上昇中。
たとえば、「築40年の空き家 → リノベーション → 民泊運用 → 5年後に約1.5倍の価格で売却」というケースも実際にあります。
しっかり手を入れて定期的にメンテナンスをしていれば、築年数が古くても価値が落ちにくく、「魅力ある物件」として市場で評価されます。
知っておきたい「リフォーム」と「リノベーション」の違い
この2つは混同しがちですが、意味合いが少し異なります。
●リノベーション:古い物件に「新しい価値」を加えること。改修。
たとえば、「壊れた壁を直す」「古いお風呂を交換する」だけならリフォーム。
「空間全体をデザインし直して、宿泊施設として生まれ変わらせる」ならリノベーションです。
民泊においては、ただキレイにするだけじゃなく、「泊まりたくなる仕掛け」をつくることが大切。
その意味でも、リノベーション視点で考える方が、集客にも収益にもつながりやすいのです。
【費用相場】マンション・戸建て・古民家|物件別の民泊リノベーション費用
1.マンション
マンションを民泊向けにリノベーションする場合、費用相場は約100万〜300万円程度。
比較的築浅であれば、クロスや床の張り替え、家具・家電の設置だけでも十分に整った空間に仕上がります。
ただし、キッチンやバスルームが古い場合は交換が必要になることもあり、その場合は+50万〜100万円程度の追加を見ておくと安心です。
また、民泊運営にあたってはマンションの管理規約で「民泊可」かどうかが大前提となるため、まずは管理組合に確認を忘れずに。民泊禁止の物件も多いため、ハードルは少し高めです。
2.戸建て
戸建てのリノベーションは、費用相場で約300万〜800万円程度が目安。
一棟貸しが可能なので、民泊としては非常に人気があります。
玄関や外観を少し整えるだけで印象がガラッと変わるので、リノベの自由度も高いです。トイレやお風呂、キッチンなどの水回りは清潔感が命。ここにある程度予算をかけることで、ゲストからの評価も高くなります。
庭や縁側があれば、ちょっとしたBBQスペースやくつろぎスペースにするのも◎。DIYを取り入れながら費用を抑える人もいます。
3.古民家
古民家の民泊リノベの費用相場は500万円程度から。場合によっては、1,500万円以上かかることも珍しくありません。
劣化が進み、耐震補強・断熱工事・電気配線の引き直しなど、大掛かりな工事が必要になることも多いため、費用はどうしても高めに。
ただ、その分「唯一無二」の宿泊施設に生まれ変わる可能性があります。海外からの旅行者にも古民家ステイは人気があり、長期滞在や高単価の宿泊につながりやすいのが魅力。
自治体によっては古民家再生に関する補助金制度が用意されている場合もあるので、地域の制度をチェックしておくとコストを大きく抑えられるチャンスもあります。
知らないと損!コストを賢く抑える3つの鉄則と補助金・助成金
優先順位の明確化
限られた予算の中で最大限の効果を出すためには、リノベーションの優先順位を決めることが大切です。
特に民泊の場合、宿泊者が実際に利用する場所から手を入れるのが鉄則。
たとえば…
- 水回り(トイレ・お風呂・キッチン)
- 寝室(ベッドや布団の快適さ)
- エアコンや照明などの設備
これらが古いままだと「不衛生」「不便」と感じられ、低い口コミ評価に直結してしまいます。
逆に、壁紙や床材など「見た目重視」の部分は後回しでもOK。最低限の機能を確保して、徐々に手を加えていくのもアリです。
DIYの活用範囲
ちょっとした作業であれば、DIYを取り入れることでかなり費用を抑えることができます。
たとえば…
- 壁の塗装や壁紙の貼り替え
- 家具の組み立て・配置
- カーテンや照明器具の設置
これらは専門知識がなくてもチャレンジしやすく、YouTubeなどの動画を見ながら進められます。
ただし、電気工事・水道工事・構造部分の補修はプロに任せるべき領域です。素人作業で事故やトラブルが起きると、余計な出費や安全面の問題につながるので注意しましょう。
相見積もりと業者選定
業者にリノベーションを依頼する場合、必ず2〜3社に見積もりを取って比較することが大事。金額だけでなく、提案内容や対応の丁寧さにも注目しましょう。
大手リフォーム会社は安心感がありますが、実は地元の工務店のほうがコストが抑えられたり、細かい要望に柔軟に対応してくれることもあります。
特に古民家などの場合は、地元の業者の方がその地域特有の建物に慣れていて、適切なアドバイスをもらえることも。
どの業者に依頼するにしても、口コミや実績を確認し、「信頼できるかどうか」が重要なポイントです。
リノベーションに使える補助金・助成金
実は、民泊リノベーションに使える補助金・助成金制度がいろいろと用意されています。
特に古民家の再生や空き家活用を支援する制度は全国各地にあり、内容もさまざま。
たとえば…
空き家改修補助(上限50万〜100万円程度)
地域活性化支援やインバウンド向け施設整備の補助
宿泊施設の衛生対策やIT導入補助など
これらは年度ごとに内容が変わるため、「○○市 補助金 空き家活用」などで検索したり、地域の役所に直接相談するのがおすすめです。
制度をうまく活用すれば、実質の負担額を大きく減らすことも可能になります!
↓詳しくはこちらのコラムでチェック↓
【事例紹介】予約が埋まる民泊施設のデザインとアイデア
【マンション】都市の利便性と洗練された空間でリピーターを掴む
都市部にあるマンションタイプの民泊は、「利便性+居心地の良さ」が鍵。
例えば、都内の駅近ワンルームを民泊向けにリノベした事例では、20㎡ほどの限られた空間でも、鏡・間接照明・床の色合いを工夫することで、広く明るく見える設計を実現。
またテレワークや出張利用を意識して、コンパクトなデスクスペースや無料Wi-Fi、電源の配置を最適化すれば、「ビジネス出張のたびにここを予約する」というリピーター多く獲得可能です。
清潔感のあるシンプルなインテリアに、ちょっとしたグリーンやアートを加えるだけでも、ホテルライクな雰囲気を演出できるのがマンション民泊の魅力です。
【戸建て】ファミリー・グループ旅行で「暮らすように泊まる」
戸建て物件の強みは、広い空間と一棟貸しのプライベート感。
実際に人気のある事例では、リビングとダイニングを一体化し、アイランドキッチンを中心に「みんなで料理・食事ができる空間」を設計。これがファミリーや友人グループに大好評。
さらに、庭にはウッドデッキやBBQスペースを設置し、アウトドアも楽しめる宿として差別化。
チェックインしてすぐにBBQを楽しめるよう、キッチンに調理道具や調味料も完備し、「まるで地元で暮らしているような体験」が人気の理由です。
夜は星空の下で食事、朝は縁側でコーヒータイム、なんて過ごし方もできますよ。
また、バスルームやトイレをそれぞれ2箇所以上設けることで、大人数でも快適に使えるように配慮しており、レビューでも高評価を獲得しています。
【古民家】日本の伝統と現代の快適性を融合させた非日常空間
古民家のリノベーションでは、「懐かしさ」と「快適さ」のバランスがポイント。
例えば、築80年以上の古民家をリノベした一棟貸しでは、古い梁や柱、土間をそのまま活かしながら、断熱材を入れて冬でも暖かく快適な空間に改修。
水回りも最新設備に取り替え、浴室は大きめの檜風呂にすることで、外国人観光客からも高評価を得ています。
さらに、囲炉裏のある団らんスペースや、畳の香り漂う寝室など、日本らしさを前面に出した空間づくりが功を奏し、「本当に日本で暮らしているような体験ができた」とSNSで話題に。
地域の文化を伝えるガイドブックや、地元の食材を使った朝食オプションを用意するなど、「地域とつながる民泊」として高稼働率を維持しています。
失敗しない!民泊リノベーションの必須設備と注意点
宿泊者の満足度を最大化する必須設備リスト
民泊のレビュー評価は「設備」に大きく左右されます。リピーターや高評価を狙うなら、以下の設備は妥協せず整えておきたいところです。
● 水回り:清潔さが第一条件!
キッチン、トイレ、バスルームといった水回りは、「古い=不衛生に見える」と判断されがち。また見た目だけでなく、使い勝手も重要です。
特にお風呂は、追い焚き機能やシャワー水圧など細かい部分にも気を配りましょう。外国人向けには、使い方ガイドもあると安心です。
● インターネット環境:高速Wi-Fiは必須!
今やWi-Fiがない宿は選ばれません。
ビジネス利用や長期滞在を意識するなら、速度・安定性のあるプランを導入しましょう。室内のどこでも接続できるよう、中継器の設置も検討を。
● セキュリティ:安心感をプラス
防犯対策は宿泊者だけでなく、運営側にとっても大切です。
スマートロックを導入すれば、鍵の受け渡しが不要になり、ゲストもスタッフもラクに。加えて、防犯カメラやモニター付きインターホンを設置すると、トラブル防止に役立ちます。
● 快適な睡眠環境:口コミ評価に直結!
「寝心地がよかった」「ぐっすり眠れた」という体験は、高評価レビューにつながります。
マットレスや布団の質はもちろん、遮光カーテン・静音空間・エアコンの効き具合までしっかり整えましょう。枕の種類を複数用意している宿も人気です。
必ず遵守すべき法律・条例と近隣トラブル対策
民泊には、「住宅宿泊事業法(民泊新法)」や各自治体の条例など、厳格なルールがあります。
営業日数の上限や届け出の要否、避難経路の確保、防火設備の基準など、事前に確認すべきことは少なくありません。
また、騒音トラブルやゴミ出しのルール違反などは近隣トラブルのもとになります。
「ハウスルール」をしっかり整備し、宿泊者に確実に伝えることが重要です。深夜の騒音・屋外喫煙の禁止などは、英語や中国語など多言語でも掲示しておくと効果的です。
まとめ
民泊リノベーションで成功するためには、宿泊者が本当に必要としている設備を整えること、そして法律や近隣対策をしっかり行うことが欠かせません。
なんとなくで設備を選んだり、業者任せにしてしまうと、思わぬトラブルやクレームにつながることも。
今回紹介した内容をもとに、「快適に過ごせる宿づくり」と「安心して運営できる仕組みづくり」の両立を目指していきましょう。
次のステップとしては、
- 自分の物件に必要な設備をリストアップしてみる
- 地域のルールや補助金制度を調べてみる
- 実績のある業者に相談・見積もりを取る
など、少しずつ準備を進めていくのがおすすめです。
理想の民泊づくり、ぜひ楽しみながらチャレンジしてみてくださいね!
●関連記事●
・空き家問題をビジネスチャンスに変える?原因から対策、収益化事例まで解説
・空き家活用に使える補助金を徹底解説|購入・リノベ・解体・ビジネス化まで