民泊の名前の決め方ガイド!クリック率と予約を増やすネーミングのコツ

民泊や一棟貸し、ゲストハウスを開業する際、意外と悩んでしまうのが「施設名の決定」です。

「おしゃれで記憶に残る名前にしたい」

「でも、キラキラしすぎても検索されなさそう……」

実は、民泊における「名前」は、単なる愛称ではありません。数多くの競合施設が並ぶ検索画面において、ゲストがクリックするかどうかを決める「看板」であり、売上を左右する重要なマーケティング要素です。

この記事では、コテージや貸別荘をたくさん掲載しているTABILMOの視点から、「予約が増える施設名の決め方」を解説します。基本の枠組みから、被りを防ぐチェック方法、今日から使えるネーミングテンプレートまで、失敗しないためのノウハウを網羅しました。

なぜ「民泊の名前」が重要なのか?集客への3つの影響

3つのポイント

素敵な内装や設備があっても、まず施設ページを見てもらわなければ予約には繋がりません。名前は以下の3点において、集客の「入口」として機能します。

1. クリック率(CTR)に直結する

ゲストがAirbnbやOTA(予約サイト)で検索した際、判断材料になるのは「メイン写真」と「タイトル(施設名)」です。

抽象的すぎる名前よりも、「どこにあって(エリア)」「どんな体験ができるか(コンセプト)」が一目でわかる名前の方が、クリックされる確率は圧倒的に高くなります。

2. 「指名検索」で手数料を節約できる

覚えやすい名前は、SNSや口コミで拡散されやすくなります。「前泊まった『〇〇』が良かったよ」と聞いた友人が、Googleマップで直接その名前を検索(指名検索)してくれるかもしれません。

OTAを経由しない自社サイトや直接予約が増えれば、プラットフォーム手数料を削減し、利益率を高めることができます。

3. トラブルを未然に防ぐ(誤認防止)

近隣に似たような名前の施設があると、ゲストが間違えて到着したり、タクシーが誤配されたりするトラブルが発生します。

ユニーク(固有)な名前をつけることは、ゲストのスムーズなチェックインを助け、運営側の負担を減らすことにも繋がります。

予約率を上げるネーミング「3つの鉄則」

ネーミング3つのポイント

センスだけで名前を決める前に、SEO(検索エンジン対策)の観点から外せない3つの条件を押さえましょう。

鉄則1:【地名】+【物件タイプ】を必ず入れる

スマホで検索結果を見るゲストは、最初の20文字程度しか見ていないことが多いです。

おしゃれな英語名だけで完結させず、以下の要素を組み合わせるのがSEOの基本です。

  • 必須要素: 主要な地名(箱根、京都、新宿など)

  • 物件タイプ: ヴィラ、貸切、古民家、一棟貸し

  • 独自の魅力: 温泉、サウナ、オーシャンビュー

良い例: 【熱海・一棟貸し】オーシャンビューヴィラ Ocean Blue

(熱海にある一棟貸しで、海が見えることが一目でわかる)

悪い例: Ocean Blue Stay

(どこの海かわからない。ただのアパートかヴィラかわからない)

鉄則2:インバウンド(訪日客)が「読める」こと

民泊市場において、海外からのゲストは非常に重要です。

漢字だけの難しい名前や、長すぎるフランス語などは、外国人ゲストにとって「記号」にしか見えず、記憶に残りません。

  • ポイント: 日本語名の後ろに、必ず英語(ローマ字)表記をつける。

  • 音のリズム: 3音〜5音程度(例:Iori, Kalan, Zen)など、発音しやすい音が好まれます。

鉄則3:競合と絶対に「被らない」独自性

最も避けるべきは、商標権の侵害や、近隣施設との混同です。

「さくら」「富士」「東京」などの一般的すぎる単語だけで構成すると、検索結果で埋もれるだけでなく、法的リスクも発生します。

【実践】失敗しない民泊ネーミングの5ステップ

5ステップ

では、具体的にどのように名前を決めていけばよいのでしょうか。以下の手順に沿って、論理的に「売れる名前」を作りましょう。

STEP1:コンセプトとターゲットを言語化する

まずは紙とペンを用意し、あなたの施設の「売り」を整理します。

  • 誰に?(ターゲット):カップル、3世代家族、ワーケーション、海外バックパッカー

  • どんな体験?(価値):静寂、団らん、非日常、和文化体験

  • 強みは?(設備・環境):海、森、駅近、サウナ、露天風呂、築100年

STEP2:キーワードをブレストする(質より量)

STEP1の要素を単語に変換し、書き出していきます。

  • 自然・場所: 鎌倉、湘南、海(Ocean)、森(Forest)、空(Sky)

  • 建物イメージ: 邸、庵、ロッジ、コテージ、ベース、ハウス、別邸

  • 情緒的価値: 結(ゆい)、灯(あかり)、凪(なぎ)、Hygge(ヒュッゲ)

STEP3:単語を組み合わせて「型」を作る

書き出したキーワードを組み合わせます。以下の3パターンを試してみてください。

パターンA(和風): [地名] + [情緒的な一文字] + [建物タイプ]

例:鎌倉 貸切宿 「栞 -SHIORI-」

パターンB(リゾート): [地名] + [英語名] + [具体的メリット]

例:那須 Forest Villa [サウナ・BBQ付]

パターンC(シンプル): [ユニーク名] in [地名]

例:Stay & Lounge [KOKO] in Osaka

STEP4:被りチェックと商標確認【超重要】

候補が2〜3個に絞れたら、必ず以下のチェックを行います。ここを怠ると、開業後に看板の架け替えやアカウント変更といった大きな損害が発生する可能性があります。

  1. Googleマップ検索: エリア内に似た名前がないか確認。

  2. OTA内検索: AirbnbやBooking.comで同名施設がないか確認。

  3. 商標検索:J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)」にて、区分43類(宿泊施設の提供)などで検索し、他社の商標を侵害していないか確認します。

  4. ドメイン・SNS: 公式サイト用のドメイン(.com/.jpなど)やInstagramのアカウントが取得可能か確認します。

STEP5:多言語表記と「見出し」の調整

正式名称が決まったら、OTAごとの表示ルールに合わせて「見出し(タイトル)」を最適化します。

(例)

  • 正式名称(看板など): 鎌倉 隠れ家の宿 結

  • Airbnb用タイトル: 【鎌倉・古民家】露天風呂付きの隠れ宿「結 -YUI-」|江ノ電徒歩5分

  • 英語表記(インバウンド用): Kamakura Traditional House YUI

【TABILMO直伝】アイデア出しのポイント:「逆視点」で考える

逆転の発想

施設のネーミングは、考えれば考えるほどアイデアが出てきにくいものです。そこで、少しでもアイデアを出しやすくするために、TABILMO編集者直伝の方法をご紹介します。

それが、「逆視点」で考えることです。

「コンセプトとターゲットを言語化する」「キーワードをブレストする」ことを考えるとき、皆さんは何を考えますか?

  • 施設に来てほしい人
  • どんな宿泊体験をしてほしいか
  • 自分の施設の強みは何か

多くの場合、まずターゲットにしたい人物像やメリット、施設の強みなどから考え始めるのではないでしょうか。ここで多くのアイデアを出せるのなら問題ないのですが、なかなか難しいと思います。

そのようなときに「逆視点」を活用してみてください。

  • どのような人には来てほしくないか
  • 施設の弱みは何か
  • 絶対に興味が湧かない施設名はなにか

自分の施設のコンセプトとは真逆のイメージを言語化して明確にすることで、本来のコンセプトやターゲット、ネーミングのキーワードが思いつきやすくなりますよ。

そのまま使える!テイスト別ネーミングアイデア集

アイデア

ここでは、TABILMOがおすすめする「成功しやすい名前のパターン」をテイスト別に紹介します。

A. 和風・古民家・歴史系

日本の伝統や静けさをアピールするなら、漢字一文字や大和言葉が効果的です。

  • おすすめ単語: 庵(Iori)、邸(Tei)、家(Ya)、宿(Yado)、縁(En)、結(Yui)、奏(Kanade)

  • 事例イメージ:

    • 京都 四条の宿「せせらぎ」

    • 金沢 町家Inn「灯 -AKARI-」

B. インバウンド・ラグジュアリー系

高級感や洗練されたイメージを与えたい場合は、英語+抽象概念の組み合わせがおすすめです。

  • おすすめ単語: Villa, Retreat, Suite, Residence, Stay, Lounge, Zen, Minimal

  • 事例イメージ:

    • Nara KUMANOKODO Villa [ZEN](奈良 熊野古道 ヴィラ 禅)

    • Niseko Luxury Suite [SNOW](ニセコ ラグジュアリー スイート スノー)

C. 親しみやすい・ファミリー系

「子ども連れでも大丈夫かな?」という不安を払拭する、柔らかい響きの名前です。

  • おすすめ単語: ハウス、おうち、テラス、ベース、ひだまり、ぽかぽか

  • 事例イメージ:

    • 海辺のおうち [SUNNY]

    • 冒険の拠点 [Secret Base 〇〇]

運営上の注意点:名前を決めたあとに気をつけること

注意

名前が決まったら終わりではありません。日々の運営の中で、名前を「資産」として育てるための注意点があります。

1. 全プラットフォームで「NAP」を統一する

SEO対策の専門用語で「NAP(Name:名前、Address:住所、Phone:電話番号)」という言葉があります。

自社サイト、Airbnb、TABILMO、Booking.com、Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)の全てで、施設名の表記を一字一句統一してください。

  • NG例:あるサイトでは「Kamakura Villa Yui」、別のサイトでは「鎌倉ヴィラ 結」

  • OK例:全てのサイトで「鎌倉ヴィラ 結 – Kamakura Villa YUI」

表記が揺れていると、Googleなどの検索エンジンが「同一の施設」と認識できず、検索順位が上がりにくくなります。

2. 「看板」と「予約サイト」の整合性

住宅宿泊事業法(民泊新法)や旅館業法では、玄関先への標識掲示が義務付けられています。

予約サイト上の名前と、現地の看板の名前が全く違うと、ゲストは「本当にここで合っているの?」と不安になります。できるだけ統一するか、難しい場合は予約時のガイドに「看板には〇〇と書かれています」と明記しましょう。

3. 過剰な装飾や誇張表現は避ける

タイトルを目立たせようと、【★No.1★】 !!!激安!!! などの記号や誇張表現を多用するのは逆効果です。

  • プラットフォームの規約違反になる可能性がある

  • 「安っぽい」「怪しい」という印象を与え、ブランディングを損なう

信頼できる施設であることを伝えるには、シンプルで事実に基づいた名前が一番です。

まとめ:良い名前は「稼働率」を支える資産になる

民泊の名前は、単なるラベルではありません。

  1. 「地名+タイプ+独自の強み」で検索に引っかかりやすくする

  2. ターゲットの心に響くキーワードを選定する

  3. 法的・実務的なチェックを行い、リスクを回避する

この手順でしっかりと練り上げられた名前は、あなたの民泊運営を長く支える強力な資産になります。

ぜひこの記事を参考に、多くのゲストに愛され、選ばれ続ける「最高の名前」をつけてみてください。

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