みなさんは、現在どのようなチェックイン方法を使っていますか?
有人チェックイン?それとも無人チェックイン?
いずれにせよ、施設の第一印象を決めるチェックインをなおざりするのはご法度。
民泊経営における最適なチェックイン方法は、ターゲット層、運営体制、予算によって変わってきます。そのため、施設に合わせて選ぶのが定石です。
ということで、今回は民泊における代表的なチェックイン方法について解説します。それぞれのメリット・デメリットも紹介しているため、ぜひ参考にしてください!
チェックインは民泊運営の肝!
民泊における顧客体験は
「予約」→「チェックイン」→「客室・アメニティ」→「やり取り」→「チェックアウト」
といった流れで構成されます。中でもゲストが宿泊先で最初に体験するのがチェックインです。
チェックイン時に「安心して宿泊できるか」「快適に過ごせそうか」といった第一印象が決まり、レビューの質やリピート率を大きく左右します。近年、民泊運営を効率化するために無人チェックインが導入され始めてきました。しかし、手続きがスムーズでわかりやすくなければ不満を生む原因となります。そのため、収益性と顧客満足度の双方を高めるためにも、運営に合った最適なチェックイン方法を選ぶようにしましょう。
民泊施設のチェックイン方法には何がある?
民泊施設のチェックイン方法には、有人チェックインと無人チェックイン(セルフチェックイン)があります。適切なチェックイン方法を選ぶためにも、まずは2つの違いを理解しておきましょう。
有人チェックイン
有人チェックインでは、フロントスタッフが宿泊手続きを行います。
<基本的な流れ>(一例)
- ゲストから指名を伺う
- 本人確認書類を預かる
- 宿泊者名簿を記入する
- 施設の利用方法を案内する
- 会計を行う(チェックアウト時の場合もあり)
- 部屋の鍵をわたす
フロントスタッフが直接対応するため、初めて施設を利用する方や旅行に不慣れな方でも安心して宿泊できます。途中で道に迷った、部屋の電気がつかないなどの予期せぬトラブルが起きた際にも柔軟に対応できます。また、荷物のお預かりや観光情報の提供、福祉用具の貸し出しなどが行えることもメリットです。一方で、フロントスタッフの人件費がかかることがデメリットとなります。親切な対応や温かい歓迎は、宿泊者の満足度向上につながるため、多くのホテルや旅館では有人チェックインが採用されています。
無人チェックイン(セルフチェックイン)
無人チェックインでは、ゲスト本人が宿泊手続きをを行います。
<基本的な流れ>(一例)
- 言語選択画面を表示
- 宿泊人数を入力
- 人数を確認するための動画撮影
- 日本在住かどうかの確認
- パスポートの撮影(外国籍宿泊者のみ)
- 宿泊者情報を入力
- 顔写真の撮影
- チェックイン完了
セルフチェックインであれば、フロントスタッフを雇用せずに済みます。多言語対応のセルフチェックインシステムを導入すれば、外国語を話せるスタッフを雇用する必要もありません。つまり、フロントスタッフの人件費を大幅に削減できることがメリットの一つです。一方で、フロントスタッフがいないことに対して不安を感じる宿泊者も一定数存在します。高齢の方や旅行に不慣れな方だとセルフチェックインシステムの操作に戸惑ってしまうこともあるでしょう。
また、セルフチェックインシステムの不具合で操作画面が映らなくなったり、通信障害で操作できなくなったりなどのトラブルも起きます。このようなデメリットがあるため、緊急連絡先を知らせておくなどの対策が必要です。
チェックアウト方法
ここでは、それぞれのチェックアウト方法を紹介します。
無人チェックイン:鍵により返却方法が異なります。
<キーボックスの場合>
その中に鍵を入れて閉じる。
<チェックインシステムの場合>
オートロックで施錠されるのでドアを閉める。
どちらの場合も、チェックアウト方法は簡単ですね。
もう迷わない!民泊の主要なチェックイン方法徹底比較
有人チェックインと無人チェックインは、さらに5つのチェックイン方法に分類できます。民泊運営の方針に合った方法を選ぶためにも、代表的なチェックイン方法について理解を深めていきましょう。
①キーボックスを利用した対面なしの鍵交換
キーボックスは暗証番号を入力して開ける鍵の保管箱です。玄関のドアノブにキーボックスを取り付けておき、ゲストが鍵を取り出して部屋に入ります。キーボックスは2,000円程度で安く購入できて、設置工事も不要です。
しかし、ゲストが鍵を持って帰ってしまったり、戻し忘れられたりしやすいです。また、鍵の紛失や不正コピーなどのリスクもあります。さらに、近隣住民に暗証番号が知られることもあるため、定期的な暗証番号の変更が欠かせません。キーボックスは手軽な方法ですが、セキュリティ管理を徹底する必要があります。
② スマートロックを活用した完全セルフチェックイン
スマートロックとは、スマートフォンやICカードでドアを施錠・解錠できる電子キーをいいます。ゲストがチェックアウトする度に暗証番号を更新できます。スマートフォンを利用すれば、鍵の受け渡しが不要となり、鍵の紛失や不正コピーのリスクもありません。
しかし、電子キーは定期的に電池交換が必要で、電池切れでドアの開閉ができないというトラブルが起きます。そのため、電子キーの管理に手間をかけたくない方には不向きです。スマートロックは、利便性と安全性を両立できる方法として注目されていますが、上手く利用するためには機器管理、トラブル時に備えた運営体制が必要となります。
民泊向けおすすめスマートロック6選|費用・防犯性・電池持ちを徹底!
③ タブレット端末による無人チェックインシステム
無人チェックインシステムは、タブレット端末でチェックイン手続きを完了させられるシステムです。ゲストが画面操作を行い、チェックイン手続きを完了させます。タブレット端末で部屋番号と鍵番号を知らせて部屋に入ってもらいます。業務効率化や人件費の削減につなげられます。
一方で、システムの月額利用料を支払わなければなりません。一般的に高機能なチェックインシステムほど高くなります。また、端末を設置する場所も確保する必要があります。
④ フロント・受付スタッフによる対面チェックイン
フロント・受付スタッフが、直接チェックイン対応する方法です。丁寧なルームサービスや観光情報を提供したり、トラブル時に迅速に対応したりできるため、安心感をゲストに与えることができます。
しかし、スタッフの人件費がかかるため、特に24時間体制だとコストが膨れ上がってしまいます。また、人手不足でスタッフが採用できない、といった問題も抱えやすいです。
⑤ 運営代行会社への業務委託
運営代行会社に業務委託すれば、チェックイン対応や清掃、予約管理をすべて任せられます。あらゆる業務を依頼できるため、ホストは手間をかけることなく民泊を運営できるようになります。そのため、遠方の民泊運営などにおすすめです。しかし、当然ながら委託コストが発生して利益が下がるため、どの範囲まで業務を委託するかを慎重に検討する必要があります。
知らないと罰則も?チェックインで本人確認するときの注意点
ここでは、チェックイン時の注意点をご紹介します。知らないと罰則となる場合もあるので、要チェックです!
本人確認|宿泊者名簿の作成と保管義務
2018年に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)により、宿泊者名簿の作成が義務付けられました。宿泊者名簿にゲストの氏名、住所、職業を記載してもらう必要があります。また、外国人観光客の場合は国籍や旅券番号も記載してもらう必要があります。都道府県知事から提出を求められた場合には応じられるように、宿泊者名簿に必要事項を記載してもらいましょう。本人確認を怠ったまま宿泊を許可した場合には30万円以下の罰金が科される可能性があるため注意してください。
また法律に基づき、3年間の保管義務があるため、紛失や改ざんが起こらないよう適切な管理体制を整えておきましょう。
無人チェックインでの本人確認は要チェック!
2025年4月に旅館業における衛生等管理要領が改正されました。これまで本人確認は対面で行わなければなりませんでしたが、ビデオカメラやチェックインシステムで代替できるようになりました。
しかし、外国人観光客が宿泊する場合は、パスポートの写真を撮影して電子保存することが義務付けられました。そのため、法改正に対応したチェックインシステムを利用するようにしましょう。
インバウンド客を受け入れる際のチェックイン時の義務
海外からの旅行者を受け入れる際には、氏名や住所、職業、宿泊日の基本情報に加え、国籍と旅券番号を宿泊者名簿に記載しなければなりません。
チェックイン時にはパスポートを提示してもらい、コピーを取り保存することも義務付けられています。これらの対応を怠ると法令違反となり、事業者には罰則が科される可能性があるため注意しましょう。
「事前説明」でトラブルを未然に防ぐ
宿泊予約を受けた段階で、チェックインの方法を伝えておきましょう。資料にまとめて案内しておくと、ゲストは安心してスムーズにチェックインできます。
最近の民泊利用率は、中国ゲストが大きな割合を占めています。中国本土ではVPNを利用しなければGoogleにアクセスできません。そのため、小紅書やWeChat、Ctrip(Trip.com)などの中国で主流のサービスの活用も検討しましょう。うまく活用できれば、やり取りをスムーズにしつつ予約増加を狙えますよ!
【まとめ】チェックインの効率化は民泊経営成功の第一歩
ゲストが最初に体験するチェックインは、施設の第一印象を決定づけ、満足度やレビュー評価にも大きく影響します。
安心感や柔軟な対応が魅力の有人チェックイン、スマートでコスト削減ができる無人チェックイン、そして5種類もの選択肢。どれが一番良いという正解はありません。
大切なのは、あなたの民泊の①ターゲット層、②運営体制、③予算に合った最適な方法を見つけ出すことです。
この記事を参考に、ぜひご自身の民泊にぴったりのチェックイン方法を考え、最高のゲスト体験と高評価レビューに繋げてください!