民泊アメニティの選び方|必須品・差別化品などゲスト満足度を高める選び方のコツ

民泊のアメニティ選びにおいて「何が必要?」「コストは?」「競合と差別化するには?」と悩んでいませんか。

アメニティは高評価レビューや、リピーター獲得に直結する重要ポイントです。ただし、闇雲に揃えてもコストがかさむだけで、よい効果は期待できません。

そこで、民泊運営をこれから始める方やすでに運営中で悩みを抱えている方に向けて、コストを最小限に抑えつつゲストの満足度を最大化するためのアメニティ選びを解説します。

ぜひ本記事を参考に、集客に効果的なアメニティを揃えてみてください。

【結論】まずはこれを揃える!民泊アメニティ・備品完全チェックリスト

民泊を運営するうえで最も大切なのは「不足がない安心感」をゲストに提供することです。ゲストが備品やアメニティに不満を感じてしまうと、評価やリピート率に響いてしまいます。

ここでは、まず揃えるべきアメニティをカテゴリー別にリストアップしました。

【必須アメニティリスト】

  • 消耗品アメニティ
    シャンプー、ボディソープ、歯ブラシ、トイレットペーパーなどのバス・トイレタリーは必須。キッチン用のスポンジや洗剤、ゴミ袋なども忘れずに。消耗品は常に補充されていることが安心感につながります。
  • リネン類
    タオル、シーツ、枕カバーは清潔さが第一。ゲストごとに必ず交換し、予備を用意しておくようにしましょう。ふかふかのタオルや肌触りのよい寝具は、レビューで高評価を得やすいポイントになります。
  • 家具・家電
    寝心地のよいベッドマットや、生活必需品の冷蔵庫・電子レンジは揃えておきましょう。また、Wi-Fiは現代人にとって必要不可欠な存在です。
  • 調理器具・食器類
    最低限の鍋やフライパン、包丁、まな板、食器セットを揃えておきましょう。国内だけでなく、海外からの旅行者や長期滞在ゲストにとっても、自炊できる環境は大きな魅力となります。
  • 清掃・衛生用品
    掃除機やコロコロ、除菌スプレー、ハンドソープなど、身の回りを清潔に保つための最低限のアイテムは取り揃えておくとよいです。
  • 安全・防災用品
    災害の多い日本では、消火器、救急セット、懐中電灯などの防災用品が必須です。ゲストに安心して宿泊してもらうためにも常備しておきましょう。

本リストを押さえておくことで、ゲストの満足度を向上させることができること間違いなしです。

【場所別】必須アメニティの失敗しない選び方

バスルーム・洗面所

バスルーム・洗面所

バスルームや洗面所は、ゲストが最もプライベートな時間を過ごす空間です。
快適に滞在してもらうためにも、清潔感はもちろんのこと、快適さを提供することが満足度を高めるポイントとなります。

【タオル類】

タオルはゲストの肌に直接触れるため、その品質が満足度を大きく左右します。
選び方のポイントは、タオルの重さや密度を表す単位「匁(もんめ)」。その数字が大きいほど、重く、厚いタオルとなります。

民泊では240匁以上のフェイスタオルや、1000匁以上のバスタオルを用意するのがおすすめ。安っぽさがなく、吸水性も高いため快適に使ってもらえます。肌触りのよい「綿100%」のものを選ぶようにしましょう。

【バスアメニティ(シャンプー・コンディショナー・ボディソープ)】

特に女性ゲストが重視しやすいバスアメニティ。髪がキシキシになったり、香りが強すぎたりすると、ゲストは不快に感じてしまいます。

幅広いニーズに応えるため、ノンシリコンやオーガニック系の髪や肌に優しい成分のものを選びましょう。香りは性別を問わず好まれる柑橘系やハーブ系など、ナチュラルで爽やかなものが無難です。

なお、1本で完結するリンスインシャンプーは「安宿感」が出てしまい、特に女性からの評価が下がってしまう可能性があるため、おすすめしません。

【ドライヤー】

備え付けのドライヤーの風量が弱いと、ゲストにとって大きなストレスになってしまいます。「1.5㎥/分」以上の大風量モデルを選びましょう。髪が長いゲストでもスピーディーに乾かすことができ、満足度が格段に上がります。

髪をセットしやすいように、風量を調整できるものを選ぶとなおよいです。

キッチン

キッチン家電類

長期滞在のゲストにとっては、毎日使うことになるキッチンの使い勝手は非常に重要です。

【食器類】

食器は「最大宿泊人数×1.5」を目安として、割れない素材のものを用意するのがおすすめです。大皿、中皿、小皿(取り皿)、お茶碗、汁椀、グラス、マグカップ、箸、スプーン、フォーク、ナイフを基本セットとして揃えましょう。

【調理器具】

調理器具は、自炊を希望するゲストが「これがあれば十分」と感じるラインナップを揃えることが重要です。

●フライパン・鍋:大小2種類ずつあると、炒め物と汁物など、同時に調理ができて便利です。焦げ付きにくいフッ素樹脂加工のものが手入れも簡単で好まれます。

●包丁:切れ味のよい「三徳包丁」が1本以上あれば十分です。

●まな板:衛生面を考慮し、樹脂製のものを選ぶようにしましょう。

そのほか、お玉、フライ返し、菜箸、ボウル、ザル、ピーラー、缶切り、栓抜き、ワインオープナーは最低限揃えることをおすすめします。

【キッチン家電】

家電は、基本的な機能さえ満たしていれば十分ですが、少しスペックにこだわることで、ゲストの滞在をより快適にできます。

冷蔵庫:長期滞在やファミリー層をターゲットにするなら、冷凍庫付きの2ドアタイプ(150L程度)がおすすめです。

電子レンジ:温め機能だけの単機能レンジで十分ですが、庫内がフラットなタイプは掃除がしやすく、清潔な状態を保ちやすいです。

電気ケトル:すぐにお湯が沸くので、コーヒーやお茶を飲みたい場合に重宝されます。容量は1L程度のものが使いやすいでしょう。

炊飯器:炊飯器は、日本での滞在を楽しむ外国人ゲスト(特にアジア圏)から非常に喜ばれるアイテムです。

これらの家電は、施設の規模によって容量を選ぶことをおすすめします。

寝室・リビング

寝室・リビング

一日の疲れを癒す寝室とリラックスして過ごすリビングは、滞在の満足度を決定する中心的な場所です。

【寝具】

どれだけ素晴らしい観光をしても、夜ぐっすり眠れなければ滞在の思い出は台無しに。それぐらい、寝具の快適性はレビューに直結する要素です。

ゲストに心身ともにリラックスしてもらうためにも、マットレスへの投資は惜しまないのがポイント。腰が痛くなるような薄いマットレスや、スプリングが体に当たるような古いものは避けるようにしましょう。

人によって好みがあるため難しいですが、ある程度の厚みと反発力があるマットレスがおすすめです。枕は硬さの違うものを2種類用意すると、ゲスト自身で自分に合う方を選べます。シーツや布団カバーは宿泊ごとに必ず取り換え、肌触りのよい綿素材のものを選ぶようにしましょう。

【インターネット環境(Wi-Fi)】

今やWi-Fiは電気や水道と同レベルの必須インフラです。「速度が遅い」「繋がりにくい」といった問題は、深刻なクレームに繋がります。

コストは上がりますが、複数人が同時に接続しても速度が落ちない、光回線の導入がおすすめです。ポケットWi-Fiのレンタルもよいですが、充電切れや通信制限のリスクがあるため、メインの回線としては不向きでしょう。

【コンセント・充電設備】

枕元やデスク周りに十分な数のコンセントがあるか確認しましょう。
延長コードやUSBポート付きの電源タップを用意するだけで、ゲストの満足度は大きく向上します。

「ゲストが不便に感じるかもしれないポイント」を先回りして解消することが、おもてなしの第一歩といえるでしょう。

競合と差をつける!ターゲット別・差別化アメニティ戦略

アメニティ

【女性ゲスト向け】

民泊運営を成功させるためには、女性ゲストを取り込むための工夫が必要です。

女性ゲストは化粧品や美容家電にこだわりを持っている方も多く、人によってはアメニティが宿泊先選びの重要な要素となっていることもあります。

●ドライヤー・ヘアアイロン
満足度に直結しやすく、今やビジネスホテルでも重要視されているアイテムです。
Refaやレプロナイザーといった高品質ドライヤーを導入するだけで、丁寧なお手入れをしたい方にとってはプラス評価につながります。

洗顔や化粧水などのスキンケアセット
持参する女性が多いですが、用意しておくことで細やかな気遣いが喜ばれる傾向があります。
もちろん持参しない方も一定数いるため、欠かさずに用意しておく方がよいでしょう。

●メイク落とし
意外に見落とされがちなアメニティです。常備している宿は少ないため差別化しやすく、ちょっとした気配りが高評価レビューを生みます。

女性ゲストをターゲットに据えるのであれば、「美」に直結するアメニティで他施設との差をつけるのが効果的といえるでしょう。

【ファミリー向け】

子供連れのファミリー層は、利便性と安全性を重視する層です。

滞在期間中も、自宅のように子供が安心して過ごせる環境や関連アメニティがあると、ゲストの満足度が大きく向上します。

●食器・ベビーチェア
食器や椅子を用意することで、子供が落ち着いて食事をとることができ、親の負担を減らすことができます。

●おもちゃ・絵本
滞在中の遊びをサポートする小物を用意しておくことで、ゲストに対して「子連れ歓迎」という印象を強く与えられます。

●動画配信サービス
今や子育てに欠かせないNetflixやDisney+などの動画配信サービスを導入しておくのも喜ばれるでしょう。

ファミリー層はリピートにつなげやすいターゲットであり、これらの設備投資は長期的な収益向上に大きく寄与するため、意識したいポイントです。

【ビジネス・長期滞在者向け】

出張やワーケーションなどで利用するビジネス客や長期滞在者は、滞在先で「効率よく仕事ができるか」「生活が快適か」を重視します。

そのため、作業環境を整えることを第一に考えましょう。

●デスクやチェア
PCで作業しやすい環境を整えることはマストで、夜間での作業がしやすいようにデスクライトも置くとなおよいです。

●アイロン
出張で宿泊しているゲストの中には、宿泊先でスーツを整えたい方も一定数います。
そのような方に向けてアイロンやアイロン台を用意しておくと、細かな心遣いが喜ばれるでしょう。

ほかにも、コーヒーメーカーや複数種類のスマホ充電ケーブル(Lightning、USB-C、Micro USB)など「あると嬉しい」小物を揃えておくことで、高評価につながりやすいです。

【インバウンド向け】

インバウンドの盛り上がりが激しい昨今、海外からの旅行者は確実に取り込みたいもの。日本ならではの体験やきめ細かなおもてなしの心を提供し、ほかの宿泊施設と差別化を図りましょう。

●日本茶セット
日本茶や急須を置くだけでも「旅先で日本文化を味わえた」という特別感を演出できます。

●浴衣
気軽に日本文化に触れることのできる浴衣は、押さえておきたいアメニティの一つ。SNSに投稿されやすく、宣伝効果も期待できるでしょう。

●多言語対応の家電説明書
電子レンジやエアコンの使い方が分からず困るゲストは多いため、英語や中国語、韓国語のマニュアルを用意することで安心感を提供できます。

●変換プラグ
見逃しがちなアイテムですが、家電を持ち込みたい長期滞在ゲストからは細やかな配慮が喜ばれるでしょう。

インバウンドを意識したアメニティは、競合との差別化に直結し、口コミでの拡散や集客力向上に大きく貢献します。

コスト管理と仕入れの極意|賢いアメニティ購入術

仕入れ先を選択しよう

どこで買う?おすすめの仕入れ先

アメニティのランニングコストはできるだけ抑えたいものです。
仕入れ先を工夫することで、コスト削減と品質確保の両立を可能にします。

●業務用専門店
まとめ買いに適しており、大容量の消耗品を低価格で調達できます。ただし、デザイン性の高いものを揃えるのは難しいことも。

●Amazonビジネス
法人・個人事業主向けの割引があり、請求書払いに対応しています。購買管理機能も充実しており、利便性が高いです。

●楽天市場
様々な小売業者が出品しており、コンセプトに合ったアメニティを選択しやすいです。ポイント還元や楽天スーパーセールを活用すれば実質コストを抑えられます。

●無印良品
シンプルかつ清潔感あるデザインで、ブランドならではの統一感を持たせることができます。人気があるため、ゲストから好評を得やすいです。

ターゲット層や宿泊施設のコンセプトに合わせた仕入れ先を選ぶようにしましょう。

コストを抑える3つの鉄則

民泊運営では、コストを削減しつつゲスト満足度を維持することが重要です。

●送料無料ラインの活用
消耗品は送料無料の条件を満たすようにまとめ買いをすることで、送料分のコストダウンが可能です。

●セール時期のまとめ買い年末や決算期に実施されるセールで大量購入すれば、通常より安価に仕入れられます。

●品質とのバランス
多少コストがかかっても、アメニティの評判がよいことで予約率が上がれば、結果的に収益を押し上げることができます。

コストを抑える3つの鉄則を守ることで、安定した運営を実現できるでしょう。

環境配慮(エコ)とコストを両立させるアイデア

近年は「サステナブルな宿泊体験」が好まれやすい環境となっています。
エコの観点から自身の宿泊施設を見直し、どの部分でコスト削減が可能かを考えてみましょう。

●詰め替えボトルの活用
個包装よりもランニングコストを抑えられ、ゴミの削減にもつながります。

●リサイクル可能な素材選び
リサイクルしやすい素材でできたアメニティを選ぶと、環境意識の高いゲストから好評価を得やすくなります。

エコとコスト削減は相反するものと考えられがちですが、むしろ両立可能な戦略です。エコフレンドリーを打ち出すことで宿のブランディング効果も高まり、競合との差別化も図ることができます。

予約が増える!アメニティの効果的な見せ方と情報提供

予約を増やすためのポイントを示す

予約サイト(OTA)でアピールする方法

予約サイトの写真は、ゲストが宿泊施設に興味を持つ最初のきっかけとなります。アメニティをただ並べて撮るのではなく、上質な滞在をイメージさせることが重要といえるでしょう。

例えば、おしゃれなボトルに入ったバスアメニティ、きれいに畳まれたタオルの山、丁寧に梱包されたスキンケアセットを写真に撮るなど、少しの工夫で格段に魅力的になります

説明文では、設備欄にチェックを入れるだけでなく、「速乾・美髪効果で人気のRefaドライヤー完備」「オーガニックのバスアメニティをご用意」のように、具体的なブランド名や特徴を記載することで、他の施設との差別化を図りましょう。

ゲストとの事前コミュニケーション

「〇〇はありますか?」というゲストからの問い合わせは、予約を後押しする絶好のチャンスです。迅速かつ丁寧に回答することで、ホストへの信頼感が高まります。

もし用意がない場合でも「近隣の店舗での購入が可能かどうか」などの代替案を示すとよいでしょう。

また、予約確定後のメッセージで、こだわりのアメニティを一つ紹介するのも効果的です。ゲストの期待感を高めると同時に、荷物を減らす手助けとなり、おもてなしの心が伝わります。

施設内での効果的な案内方法

ゲストが施設に到着したあと、施設内で快適に過ごせるよう案内することも大切なポイントです。室内に置くウェルカムガイドに、アメニティの一覧と保管場所を写真付きで分かりやすく記載しましょう。

また、収納棚や引き出しに「タオル」「ヘアドライヤー」といったラベルを貼っておくだけで、ゲストが物を探すストレスを減らせます

小さな配慮の積み重ねが、ゲストの満足度を大きく向上させるといっても過言ではありません。

まとめ

民泊運営を成功させるための、大きな要素の一つがアメニティです。

まずは場所別の必須アメニティを取り揃え、次に各ターゲット層を意識したプラスアルファのアイテムでワンランク上のおもてなしを生み出しましょう。

ゲストが寄せたレビューの声に真摯に耳を傾け、アメニティをよりよいものに改善していくことで、長く愛され続ける宿泊施設となることでしょうを目指しましょう!。