空き家を有効活用して収益を得たり、地域活性化に貢献したりとさまざまな魅力のある「民泊事業」。これから民泊ビジネスを始めるなら、具体的な運営方法についても検討しなければなりません。自社でまかなうのか、代行業者に委託するのか、なんとも悩ましいところですよね。
そこで本記事では、民泊の運営代行業者について詳しく知りたい人のために、運営代行業者を使うメリットや料金相場などをわかりやすく解説しています。ぜひ最後までチェックしてください。
民泊の運営代行とは?
民泊運営代行とは、民泊の運営に関わる業務の一部または全部をオーナーに代わって行うサービスのことです。
ここでは、近年増加傾向にある民泊運営代行について解説します。
運営代行の必要性
民泊運営の課題
民泊を運営していると、ときにさまざまな課題に直面することがあります。
たとえば、
- いい施設なのに、集客がうまくいかない
- 海外からの問い合わせがあり、24時間対応しないといけない
- 英語以外にもさまざまな言語のゲストが利用するので対応に苦労する
- 民泊運営に関わる法令がいろいろあってわかりづらい
- 業務が多く、一人では対応できない
などです。
民泊運営代行サービスの利点
そんなときに役立つのが、民泊運営代行サービスです。
2018年に住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が施行され、宿泊者の管理や宿泊施設の衛生・安全面、緊急時対応や近隣住民とのトラブル対応など、民泊の管理業者が行わなければならない項目が規定されました。
このような時流のなかで代行サービスをうまく活用するオーナーも増えていますが、これらのサービスにもいくつか種類があり、わかりづらい面もあります。
以下、詳しく見ていきます。
民泊運営代行の種類
完全代行サービス
「完全代行サービス」とは、その名のとおり民泊運営に関わるほとんどの業務を委託するものです。
予約サイトに掲載する紹介文や、ハウスルールなどの記載項目の作成、予約管理やゲストからの問い合わせ・トラブル対応、清掃手配など一貫した運営のサポートをしてくれます。
副業で民泊オーナーをする人や、多くの物件を保有していて管理が大変な人、民泊を運営するのが初めての人にもおすすめのサービスです。
清掃代行サービス
「清掃代行サービス」は、清掃業務をお任せするものです。常に衛生的に保つことはもちろん、ホテル並みに清掃が行き届いた部屋はゲストからの高評価にもつながります。
また、チェックイン時のクレームの多くが「清掃の不備」や「電球・リモコン」など家電製品に関してです。このような細かい確認や点検も含めてプロに依頼することで、トラブルを事前に回避できます。
サイト運営代行サービス
「サイト運営代行サービス」は、情報を掲載するサイト運営に特化したサービスです。
ゲストは民泊紹介サイトを介して予約を行いますが、数多くある施設の中から見つけ、かつ利用したいと思わせる魅力的なコンテンツを作成する必要があります。
また問い合わせやトラブル対応なども予約サイトを通じて行うため、それらゲストとのコミュニケーション全般をお任せするサービスです。
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民泊運営代行の費用・料金相場
では、実際に運営代行サービスにかかる費用はどれくらいでしょうか。多くの代行サービス会社は、売上に応じた料金体系を取っています。
たとえば、
- 完全代行であれば売上の20%
- サイト運営代行であれば売上の10%
というのがおおよその相場です。
また、運用開始までの準備支援、室内のインテリアコーディネート、写真撮影、行政への報告、インフルエンサーを活用した広報など、さまざまなオプションサービスを行なっている業者もあります。
民泊の稼働率や客単価を上げるために、プラン内容をよく比較・検討するとよいでしょう。
民泊運営代行の選び方
民泊の増加に伴い代行会社も数多くあるため、どこを選べばよいか悩んでしまうかもしれません。
選び方のポイントは、大きく分けて2つです。
1. 民泊運営代行の評判
1つ目のポイントは、その会社の評判をチェックすることです。
会社の公式サイトには、お客様からの声が掲載されていることが多いので、企業の強みを把握できます。
一方ネガティブな評判については、ネットで企業名を検索して利用者の感想を探したり、民泊運営者のコミュニティで情報交換をするなども一つです。
また民泊業界は注目度が上がっている分、新規参入業者も多くあります。なにより信用性のある会社を選ぶことが大切です。
公式サイトの
- 本社登記住所
- 設立年月
- 従業員数
- 資本金
などを確認し、大体の企業イメージをつかむとよいでしょう。
2. 代行会社のサービス内容
2つ目のポイントは、代行会社のサービス内容をじっくり比較することです。
たとえば「多言語対応」といってもどの言語に対応しているのか、ゲストとのコミュニケーションはメッセージのやり取りのみか、電話対応も可能かといった違いがあります。提供されているサービスの具体的な内容までしっかり比較することが大切です。
代行業者との契約前のチェックポイント
契約期間と解約条件
ここにお願いしたいという運営代行サービスが見つかったら、契約前に大事な点をおさえておきましょう。
まずは「契約期間」と「解約条件」です。
契約したあとに、業者を変えたいというケースも出てきます。そういった事情に柔軟に対応できるかや、途中で解約したい場合はどのような条件になっているかを確認しましょう。
料金体系
料金体系ですが、特に清掃費についてよく確認しておきましょう。
たとえば基本料金が安くても、ゴミ処理費用やタオルやシーツの洗濯代、交通費が別途必要となる場合もあります。これらは毎回かかる費用なので、結果的に総額が大きくなってしまうことがあります。また、清掃が不十分というクレームが入った場合の再清掃や、特別な清掃が必要となった場合の料金なども事前に確認しておく必要があります。
報告体制
代行サービスを利用すると、オーナーが物件に直接行く頻度は少なくなります。その分、修繕が必要な個所や、ゲストが心地よく過ごすために必要な工夫などに気づきにくくなります。
清掃だけではなく、リモコンや家電は全て問題なく動作するか、ガスコンロは着火するかなど、細かい点も都度確認して、写真と共に報告してもらう体制を作っておくとよいでしょう。
またマンションの物件の場合、火災報知機の点検や大規模修繕予定のようなお知らせが掲示板されていることも多くあります。そのような報告もきちんと伝達するようにしておきましょう。
責任の所在
最後に重要なのが、責任の所在です。民泊運営はゲストの大事な荷物を預かったり、安心して過ごせる場所の提供を行う業務です。
また物件や備品などホストの所有物にも関わるため、何か起きた際の責任の所在を事前にはっきりさせておくことで、トラブルを事前に防ぐことができます。
おすすめの民泊運営代行業者7選
それでは実際にどのような代行業者があるでしょうか。
TABILMOが厳選したおすすめの7社をご紹介します。
ベソカシ
これまで60棟以上の豊富な運営実績をもつ鵜山リゾートの「ベソカシ」。SEOを使った集客ノウハウ活かし、高稼働率を実現。めんどうな民泊事業の届出から清掃業者の手配までトータルでサポート。万が一のトラブルにも対応してくれます。
PIPI Hosting
PIPI Hostingは2015年に設立された代行業者です。IT系企業のため、物件の上位表示対策や宿泊料金の自動修正、複数の予約サイトの一元管理などに強いのが特徴で、収益の150%アップを売りにしています。スタンダードプラン(料金は売上の15%。以下同様)と、プレミアムプラン(20%)があります。
faminect
faminectは2014年に設立され、東京や大阪のほか、福岡、北海道、沖縄を対象としています。多言語コールセンターを持ち、緊急時対応からチケット手配などのコンシェルジュサービスも提供しています。わかりやすいゲストへの注意事項やハウスルール作成など、トラブルを防ぎ気持ちよく利用してもらえる工夫が数多く用意されています。メッセージ代行(10%)と完全代行(20%)があります。
Airhost
Airhostは2015年に設立され、民泊運営の無人化・自動化に強いのが特徴です。独自のシステムにより、複数の予約サイトの一元管理と各物件の宿泊管理や清掃手配をまとめて行うことができます。またスマートチェックイン、チェックアウトの管理システムも充実しています。
ただし料金体系がやや複雑で、管理する室数とサポート内容により異なるのと、部屋当たりの月額料金のため収入が発生しなくても利用料が必要です。
unito
unitoは2020年設立の、住居のサブスクリプションサービスを行う企業です。民泊は通常年間180日までしか運営できませんが、短期賃貸と組み合わせることで年間を通じた運営が可能となります。自社システムにより、予約や清掃手配、チェックインなど民泊運営に必要な管理を一元化できます。
民泊の運営代行は完全代行のみ行っており、費用はエリアや物件などによって異なるため要相談です。
アットホスト
アットホストは2008年に設立され、民泊運営代行の長い実績を持ちます。ベーシック(20%)、スタンダード(30%)、プレミアム(35%)の3つのプランがあり、オーナーの希望に応じたサービスを選べます。自社開発の管理システムで予約や清掃手配などを一元管理できるほか、旅行業者をグループ企業に持ち、特に中華圏への集客に強みがあります。
Bestbnb
Bestbnbは2017年に設立されましたが、それ以前から運営している清掃専門業者が主体となっています。そのため徹底した清掃や設備点検、ホテルクラスのリネン類など施設面の管理に定評があります。
完全運用代行が売上の18%、その他OTA運用代行(10%)、Airbnb運用代行(5%)と手頃な値段設定となっていますが、清掃費も含めて検討しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。民泊運営はいざ始めてみると、予約管理やゲストとのメッセージのやり取り、清掃手配や物件のメンテナンスなど、毎日の作業でやることが非常に多いのが実情です。
またそれら一つ一つがゲストからの評価、ひいては収益に直結してきます。ゲストに喜んでもらいたいのはもちろん、効率的に収益を上げていくためには、プロのスキルを持つ代行業者の手を借りるのも一つの選択肢です。
ぜひご自分の民泊運営に合った代行サービス業者を探してみてください。